佐世保のテーマパーク、ハウステンボスの街並みの色彩
オランダの街を再現した、ハウステンボス
ハウステンボスは長崎県佐世保市にあるオランダ・ヨーロッパの街並みを再現したテーマパークで旅行会社のHISが運営しています。今の時期はクリスマスシーズンでマーケットやステージがありました。

私は佐世保市の景観アドバイザーとして街並みの色彩やその街や風景に相応しい色彩の提案をしています。
今回は来年施行される、佐世保市の景観条例の色彩についての規制や特例をどのような考え方で決めたらよいのかということで、調査とハウステンボスの技術の方にお話を伺える機会をいただいたので訪問いたしました。
ヨーロッパ・オランダの街の色彩
ハウステンボスは開業して約30年、当時の建物に関する色彩の資料も見せていただきました。カラースキームで建物の色が管理されていて、改修工事の際はそれを基に復元したり、バランスを見て違う色に変更されているそうです。
ハウステンボスはテーマパークで私有地ですが、佐世保市の色彩基準があり、基本的にはそれに該当しない色は使ってはいけないことになっています。そうなると、テーマパークの楽しさやヨーロッパの街並みの色彩が制限されてしまうので特例としてどのようにするとよいのか、調査と聞き取りをいたしました。
佐世保市の色彩基準について詳しくはこちら




自然素材であれば、条例の色彩基準を超えても使用できますが、ペイントなどの人工的な色は使用できないことがあります。塗料は同じ色でもツヤによって随分と印象が変わります。ハウステンボスでは赤や緑などハウステンボスカラーがありその色で統一された風景を維持しています。



ヨーロッパの街並みの特徴のひとつで、建物の形が同じであれば色彩が違っても調和のとれた風景になります。
調和は色彩だけでなく、形も重要なのが分かります。
テーマパークとしての色彩&デザイン
楽しさや可愛さを表現するとこのようなデザインや色彩が増えてきます。気持ちは分かるのですが、ヨーロッパテイストとは合わない場合もあります。仕事柄ほかの人が気に留めないことがどうしても気になります。



おまけの話、改修工事中のハウステンボス駅

ご家族や海外からの旅行客の利用も多い、ハウステンボス駅が改修工事中でした。こちらはJR九州の建物なのでどのような色になるか分からないとのこと。所有者が違うと色が変わります。この辺も統一して、全体を考えられる風景や街並みの計画ができると、より魅力的になるのになと思います。
佐世保市では面積に寄りますが、改修工事に伴う色彩の変更には届け出が必要です!!
知らない方が多いので、周知徹底が大切ですね。